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「コロナウイルスによる豪州政府からの中小ビジネス(SME)へのサポートと支援」

JobKeeper延長 (2020年9月28日より)

[2020年7月23日発行  / 2020年9月24日更新]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2020年7月21日、オーストラリアの首相と財務大臣は2020年9月27日に終了予定であったJobKeeper支援プログラムを延長することを発表されました。

 

さらに、2020年8月7日、ステージ4規制に直面しているメルボルンの現在の状況に基づき、財務大臣は当初からのJobKeeperと延長案の共に変更事項を提案しました。 

 

9月上旬にようやくJobKeeper延長が法制化されたことを受けて、税務署は2020年9月16日から数回にわたってウェブ上でのガイダンス公開を開始されました。そのため、9月24日時点で公表されている 重要内容を要約の上、皆さまへ報告させていただきます(緑色ハイライト箇所は、後日更新予定)。

JobKeeper延長のタイムライン

2020年9月27日:

JobKeeper延長1の対象とならない場合、JobKeeperプログラムは終了(延長2から復活の場合も)

2020年9月28日以降: 

JobKeeper延長1が開始され、JobKeeper 支払いレートに変更

2020年10月1日~10月31日:

2020年9月四半期の実際の売上高減少を対象期間と比較、その情報を税務署へオンライン報告

2020年10月1日~10月14日:

2020年9月分のJobKeeper支給を受け取るための月次申請

2020年10月31日まで:

10月中のJobKeeper 対象期間の最低給与条件を満たす(対象となる従業員がいる雇用主のみ)

2020年11月1日~11月14日:

2020年10月分のJobKeeper支給を受け取るための月次申請(JobKeeper延長1の対象ビジネスのみ)。また、対象となる従業員・business participantのTier1かTier2 (高い・低いレート)も同時に 通知。

|  JobKeeper (2020年9月27日終了の当初からのプログラム)  

2020年7月1日時点で雇用されていた従業員が2020年8月3日(JobKeeper fortnight #10)より開始する2週間毎のJobKeeperプログラムの対象となる対象基準の変更が2020年8月7日に発表されました。これにより、下記を含めた状況で新たな従業員・Business ParticipantがJobKeeperの対象になる可能性が出ました。

  • 2020年3月1日~7月1日期間中から新しく雇用されているfull time / part timeの従業員

  • 2020年7月1日の時点で12ヶ月以上雇用されている定期的なシフトがあるcasual

  • 2020年7月1日時点で18歳になっている従業員

  • 2020年7月1日時点で16歳となり、独立されている、または、フルタイムの学生ではない

  • 2020年7月1日時点でビザの条件をクリアしている従業員

  • 2020年7月1日以前に当初は別のビジネスからJobKeeper支援を受けられていた従業員で、雇用が終了されている場合は、新たな雇用主からnominateが可能 (ただし、1つの雇用主のみからしかnominateは不可)

政府は当初のJobKeeper制度をまとめ、次のように説明しました。

  • 約960,000のビジネスがJobKeeperに登録されており、350万人の労働者が支給されていた

  • 労働者の約4人に1人が通常支給されている賃金よりも約$550多くJobKeeperから支給されていた

更に8月7日発表の変更により、国家の予算から$15.6 billionが追加され、JobKeeperプログラムに関しての総費用は$101 billionになるのではないかと予想されています。また、追加分のうち$13 billionがビクトリア州のビジネスに提供されるのではないかと検討されています。

|  JobKeeper延長 1 + 2 (2020年9月28 日~ 2021年3月28日期間)  

JobKeeperの延長は、2種類のレートで、以下期間中に支給されます。

延長1:    2020年9月28日から2021年1月3日まで、

売上高の減少:

延長対象となるためには、2020年7 月 ~ 9月期間の四半期の売上高が実際に減少していたことを証明する必要があります(比較対象期間は、通常2019年7 月~9月。特例により、その他の期間の場合も)。

JOBKEEPER レート:

  • TIER 1 レートは $1,200で、対象者は、

    • [対象従業員] ⇒ 2020年 3月1日、または、7月1日以前での最後の給料対象期間での4週間で、80時間以上勤務されていた(代替期間が適用される場合も)

    • [対象business participant] ⇒ 2020年2月中80時間以上、ビジネスに積極的に従事・活動されていた(代替期間が適用される場合も)

  • TIER 2 レートは $750 で、上記対象外の従業員、経営者(business participant)

【延長2】    2021年1月4日から2021年3月28日まで、

売上高の減少:

延長対象となるためには、2020年10 月 ~ 12月期間の四半期の売上高が実際に減少していたことを証明する必要があります(比較対象期間は、通常2019年10月~12月。特例により、その他の期間の場合も)。JobKeeper延長1の対象ではないビジネスでも、売上高減少の場合は対象となります。

JOBKEEPER レート:

  • TIER 1 レートは $1,000で、対象者は、

    • [対象従業員] ⇒ 2020年 3月1日、または、7月1日以前での最後の給料対象期間での4週間で、80時間以上勤務されていた(代替期間が適用される場合も)

    • [対象business participant] ⇒ 2020年2月中80時間以上、ビジネスに積極的に従事・活動されていた(代替期間が適用される場合も)

  • TIER 2 レートは $650 で、上記対象外の従業員、経営者(business participant)

|  売上高の減少テスト  

2020年9月28日以降もJobKeeper 延長の対象となるには、適性テストを再度行い、以下の売上高減少を実証する必要があります。

  • 売上高が$1 billion以下のビジネスは、30%以上の減少

  • 売上高が$1 billion以上のビジネスは、50%以上の減少

  • ACNC-registered charitiesの場合は、15%以上の減少

上記は、売上高の予測額ではなく、該当する期間のGST法上での売上高の実績で証明される必要があります。

また、売上高の計算には、GST報告目的で使用されているのと同じ会計基準(BASに記載されている、Cash <現金>・Accrual <発生> 主義)を使用する必要があります。 したがって、売上高の計算は、

  • BASに従い、total sales(G1)からGST payable(1A)を差し引いた非常に近い金額

  • 固定資産の売却額を含める必要がある

もしビジネスがGST制度に登録されていない場合は、売上高は現金ベース (Cash)、または、発生ベース(Non Cash)のどちらでも使用可能です(ただし、所得税と同様な計算方法を使用されることにより、計算が多少シンプルになるはず)。

指定されているパーセンテージでの減少を計算するには、通常、以下の期間のGST売上高と比較する必要があります。

  • (JobKeeper延長1の場合)2019年9月30日までの四半期、および、

  • (JobKeeper延長2の場合)2019年12月31日までの四半期

上記の2019年9月30日、または、12月31日までの四半期が、通常時のビジネス取引以外の出来事や状況に基づき、適切な比較期間ではない場合のみ、以下にある 代替テスト(ALTERNATIVE TESTS)の1つを使用されることも可能です。

  1.  2020年3月1日以前ではあるが、比較期間開始後にビジネスが開始された

  2.  ビジネスの買収、または、売却により、売上高の変化

  3.  ビジネスの再編 (restructure) により、売上高の変化

  4.  売上高が大幅に増加したビジネス

  5.  干ばつ、自然災害などの影響を受けたビジネス

  6.  売上高が不規則なビジネス

  7.  病気、怪我、休職中であった(Sole trader・小規模Partnershipのみ)

|  【対象従業員】 Tier 1レート  

延長期間中、対象従業員は以下の基準に基づき、「28日間の参照期間」(28-day reference period)中に、80時間以上勤務されていた場合のみ、TIER 1レートが適用されます。

  • 実働時間

  • 有給休暇時間(無給休暇は含まれない)

  • 祝祭日の欠勤時で有給であった時間

28日間の参照期間」とは、2020年3月1日か2020年7月1日以前(どちらでも)、最後に完了していた、給与のベースとなる勤務周期サイクルの最終日を28日目とする期間を基準としています。尚、80時間の基準値は、28日参照期間のいずれかの期間のみで満たす必要があります。

フルタイム従業員の「28日間の参照期間」での80時間以上を計算することは、おそらくさほど複雑ではありませんが、もし対象従業員が以下の1つ以上に該当する場合は注意が必要です。

  • パートタイム、または、長期のカジュアル

  • stood down、または、無給休暇中

  • 給与が月給制である

  • 給与が時給制ではない

  • 労働時間の証明としての記録が不十分

  • 他の対象従業員とは異なる給与周期

  • 給与計算周期の終了日と給与支払日が異なる場合

給与が月次であれば、80時間の基準値を満たすことには、最低でも以下の勤務時間をクリアする必要があります。

月給給与周期での:

日数                      時間数

-------                     -----------------

29                          82.86

30                          85.72

31                          88.58 

例:

従業員の給与が2週間毎の場合、

2020年2月中の最後の給与周期が19日付で終了したとすると、3月1日以前の給与周期での「28日間の参照期間」は、1月23日~2月19日となる。

従業員の給与が月給制の場合、

給与周期が毎月末日で終了していたとすると、3月1日以前の給与周期での「28日間の参照期間」は、2020年2月1日 ~ 2月29日(29日間)となる。

 

また、仮に従業員の2020年2月中の勤務時間を81時間とした場合、3月1日以前の給与周期での労働時間は、日割計算で81×28÷29=78.2069時間となり、80時間の基準値を満たさないことになる。

また、従業員が、以下の条件に当てはまる場合は、「代理参照期間 (alternative reference period)」も考慮できます(適用方法は税務署のリンクより)。

  • 80時間の基準値を満たしていない、および、

  • 3月、または、7月以前の参照期間が状況的に適切ではない場合

さらに、28 日間の参照期間中(代理参照期間も含む)に 80 時間の基準値が満たされていたかどうかを確認するための勤務時間記録が不足していたり、破棄されていた場合などでは、以下のいずれかを満たすことが可能であれば、TIER 1 レートが考慮されることもあります。

  1. 「28 日間の参照期間」中に $1,500 以上の給与が支給されていた場合(JobKeeper top-up分は $1,500 から除外)

  2. 「28 日間の参照期間」に80時間以上の勤務を義務付ける同意書などがある場合

  3.  従業員が「28日間の参照期間中」に少なくとも80時間勤務されたと合理的に想定できる場合

対象従業員が、「28日間の参照期間」(alternative reference period期間も含む)での80時間の基準値が給与記録、または、上記のいずれかを使用の上でも満たすことができない場合、TIER2レートを受け取ることになります。

最後に、新たにJobKeeperの対象となる従業員でない限り、延長期間の対象となる従業員はnomination formを再記入する必要はありません。

|  【対象business participants】 Tier 1レート  

対象business participantsは、2020年2月の29日間80時間以上、ビジネスに「積極的に従事・活動」(actively engaged) されていた場合のみ、TIER 1のレートが適用されます。

また、business participantが、以下の条件に当てはまる場合は、「代理参照期間 (alternative reference period)」も考慮できます。

  • 80時間の基準値を満たしていない、および、

  • 2月の参照期間が状況的に適切ではない場合

対象business participantがビジネスに「積極的に従事・活動」されていた時間には、サービスの提供や商品の販売に費やした勤務時間のほか、経営・管理業務に費やした時間も含まれます(他のビジネスオーナーに簡単なアドバイスを提供されたり、非勤務時間中にビジネスについて考えていたりするだけでは不十分)。ビジネスに「積極的に従事・活動」されていた証拠としては、以下のようなものから証明できるのではないかと考えられます。

  • 業務日誌・スケジュール帳・日報

  • 発行された請求書に記載されている請求対象時間

  • タイムシート、または、出勤記録

  • 顧客、従業員、サプライヤーとの電子メール

  • その他のビジネス、または、法定目的のために作成されていた記録

参照期間中に80時間以上ビジネスに積極的に従事・活動されていたこと証明のため、business participantは書面で同意書を作成する必要があります。同意書には、以下が含まれている必要があります。

  • business participantの氏名

  • 電話番号、および/または、メールアドレス

  • 参照期間中、積極的にビジネスに従事・活動されていた時間が80時間以上であるとの記載(この結論がどのようになされたかを示す記録を保持されることは必要)

残念ながら、税務署によって定義される必要な証拠の明確なガイドラインがないため、business participantが積極的にビジネスに従事・活動されていたのが80時間以上と正確に証明する記録の資質については、不明確な点が残ります。

Business participantが参照期間中に、ビジネスに積極的に従事・活動されていたのが80時間未満で、TIER 2レートを単に受け取る場合は、書面による同意書を作成する必要はありません。

** 要更新: Business participant向けの同意書のテンプレートは、公開されていません

|  重要な日付と通知事項  

2020年9月~11月期間中でのJobKeeper延長1の重要日程は以下のようになります。

2020年9月27日:

JobKeeper延長1の対象とならない場合は、JobKeeperプログラムは終了となります(後に延長2の対象となる可能性はありますが)。および、

  • 対象従業員に、この日以降の「JobKeeper top-up」分は、支給されないと通知

2020年10月1日 ~ 10月31日:

ビジネスが既にJobKeeper制度に登録されており、延長1の期間中もJobKeeper支給を請求続ける場合は、以下を行う必要があります。

  • 2020年9月四半期の実際の売上高減少を対象期間と比較、

  • 売上高減少の情報をBusiness Portal、または、登録税理士から税務署に報告

  • 対象従業員とbusiness participantに対して、JobKeeper TIER 1かTIER 2 のどちらが適用されるか確認

  • 対象従業員に、お支払いされるJobKeeperの支給額を通知

  • 対象従業員に、もしtop-upが保留され、遅れて10月31日までに支払われる場合は通知(下記参照)

2020年10月31日まで:

税務署がJobKeeper支払いを返金するには、TIER 1、および、TIER 2の最低レート(税引前)を従業員に既に 支払い済みであることが条件となります。しかしながら、以下の期間については、2020年10月31日までに 支給されることを条件に、10月中の2週間毎の最低条件が遅れていても税務署は例外を認めます。

  • 2020年  9月28日 ~ 10月11日

  • 2020年10月12日 ~ 10月25日

2020年11月1日~11月14日:

延長1の期間中である2020年10月分のJobKeeper支給を申請するには、以下のことを行う必要があります。

  • 2020年10月分の月次申請の提出

  • 月次申請で、対象従業員・business participantごとにTIER 1、または、TIER 2を通知

  • business participantには、税務署にJobKeeperレートを通知してから 7 日以内に、個人にも TIER 1 、または 、TIER 2 のレートかを書面で通知する必要がある

|  その他の重要なポイント  

JobKeeper制度への新規登録

既存の対象条件と延長期間中の追加の売上高テストを満たしている限り、ビジネスは新たにJobKeeper制度への登録を引き続き受け付けています。

また、ビジネスが延長1の対象ではないが、延長2の対象となる場合、2021年1月からのJobKeeperに再度 登録する必要はありません。

Fair Workの条件

当初のJobKeeperプログラムの対象となっていたが、今回の延長の対象とならない場合でも、売上高が 10%以上減少しているビジネス(「legacy employers」)であれば、さらに 6 ヶ月間、一時的なFair Work Actの条件を利用することができます。

「Legacy employers」とは、

  • 2020年9月28日以降、多少の変更があるJobKeeper enabling directions(例:労働時間の変更、部分的なstand downなどの有効化指示)にアクセス可能

  • 雇用主と独立性がある登録税理士 (tax agent)、BASエージェント、公認会計士から「10%の売上高減少テスト証明書 (10% decline in turnover test certificate)」を取得する必要がある(従業員数が15人未満の場合、雇用主が10%の減少を証明するためのstatutory declarationを作成されることでも対応可能)

 (更新:2020年9月24日)

Disclaimer: 

本資料は、更新日までの一般的な情報提供を目的とするもので、税務的なアドバイスで はありません。個別の状況に関しては、専門の会計士・登録税理士にご相談ください。

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