2021年7月1日からの変更事項
【更新: 2021年10月1日】
2021年7月中にオーストラリア人の約半数が何らかの形でロックダウン規制にかかるという、予測不可能な新年度のスタートとなりました。
残念ながらこの時期には、新年度に発生した法改正について検討する必要があります。ここでは、2021-22年の会計年度に向けて、ビジネスにおいて知っておくべき重要な法改正について、全てではありませんが一部を紹介します。
税金
(2021年7月1日より)
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(会社) 中小企業(総売上高$50 million未満)の法人税率は、2021-22年度に25%に引き下げられます。
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(ビジネス) 小規模ビジネス向けの税制優遇措置を受けるための売上高の基準は、$10 millionから$50 millionに引き上げられます。
スーパーアニュエーション
(2021年7月1日より)
スーパーアニュエーションの保証率は、2021年7月1日から以下の率に引き上げられました。
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スーパーアニュエーション保証率が 10% に引き上げ(9.5%から0.5%引き上げ)
上記の利率は毎年7月1日に上昇し、2025年7月1日に12%に達する見込みです。
もし2021年7月以降、まだ9.5%で計算されている場合は2021年10月28日までに修正する必要があります。
(2021年11月1日より)
2021年11月1日以降に開始する新従業員で、スーパーアニュエーション・ファンドを選択されていない場合は、雇用主が税務署より従業員の「Stapled super fund」(従業員の既存のスーパーアカウント)の詳細を要求する必要があります。
したがって、2021年11月1日以降、雇用主は以下の手順を踏む必要があります。
ステップ1:スーパーファンドの選択
最初のステップは以前から変更はなく、新しく雇用する従業員には「Super standard choice form」を提供する必要があります。 雇用主は、従業員が選択したファンドにスーパーアニュエーションを支払わなければなりません。
ステップ2:'NEW' スーパーファンドを選択しない場合
従業員がスーパーファンドを選択しない場合は、雇用者は税務署に従業員の「Stapled super fund」をオンライン上で、リクエストする必要があります。これは以下の操作方法で行うことができます。
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ATOの Online services for business にログインの上、
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「EMPLOYEE SUPER ACCOUNTS」へアクセス
その後、税務署は従業員の「stapled super fund」があればそれを提示し、雇用主はスーパーアニュエーションをこのアカウントへ支払わなければなりません。この手続きは登録税理士が行うこともできます。
ステップ3: デフォルト・ファンドへの支払い
雇用主は、以下の場合にのみスーパーアニュエーションをデフォルト・ファンドに支払う必要があります。
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従業員がスーパーファンドを選択しない場合、および
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従業員がstapled super fundを持っていないことをATOが通知した場合
詳しくはこちらをご覧ください。
(今後の見通し)
2021年7月1日時点では法制化されていませんが、まもなく月給が$450以下の従業員でもスーパーアニュエーション保証を受けることができるようになることも予想されています。これは、あらゆる収入のすべての労働者がスーパーアニュエーションの最低保証金を受け取ることを意味します。
労務に関する法律の変更
(法的問題となるために、個々の変更についてアドバイスすることはいたしかねますので、詳細 Fair Work Ombudsmanをご参照ください。)
(2021年3月27日より)
2021年3月27日より、カジュアル従業員の職場での権利と義務が以下を含み一部変更されました。
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従業員に「Casual Employment Information Statement」提供すること
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カジュアル従業員の定義の変更
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カジュアル雇用からフルタイムまたはパートタイム雇用への転換ルールの更新 (カジュアル従業員への「casual conversion」の提示)
詳細につきましては、Changes to casual employment をご参照ください。
(2021年7月1日より)
最低賃金が2.5%引き上げされます(一部の業種では2021年9月、および、11月まで変更は開始されません)。
詳細につきましては、Annual Wage Review 2021 をご参照ください。
また、Fair Work Commissionは、以下のawardの条件を更新しました。
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一部のawardにおける時間配分の変更
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Retail Awardにおけるパートタイム時間の変更
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Health Services Awardの対象範囲の変更
詳細につきましては、Other award updates starting on 1 July をご参照ください。
(2021年9月27日まで)
中小ビジネスの雇用主(定義はリンクをクリック)以外の雇用主は、2021年3月27日以前に雇用された既存のカジュアル従業員に2021年9月27日までpermanentポジションを提供される対象であるか判断する必要がありました。
中小ビジネスの雇用主は、「casual conversion」を提示する必要はありませんが、対象のカジュアル従業員は、12ヶ月間勤務した後、いつでもpermanentポジションへの転換を希望することができます。 また、2021年3月27日以前から中小ビジネスの雇用主のもとで働いている既存のカジュアル従業員は、対象であればいつでも「casual conversion」を要求することができます。
詳細につきましては、casual employees becoming permanent をご参照ください。
WAGE INSPECTORATE VICTORIA
(2021年7月1日より)
ビクトリア州の雇用主が故意かつ不正に従業員への給与を過少支払いしたり、すべての従業員の権利を提供しない場合、法律がより厳しくなりました。
ビクトリア州の従業員は、2020年に施行された新しいWage Theft Act 2020 (Vic)に基づき、賃金(または資格)の過少支払いについて雇用主を「起訴」することができるようになりました。
現在、個人に対しては最高$218,088または最高10年の懲役、企業に対しては最高$1,090,440ドルの罰則が課せられています。
この新法を施行するために、政府の新組織「Wage Inspectorate Victoria」が設立され、必要と判断された場合には、刑事罰を勧告する権限を有しています。
詳細につきましては、Wage Inspectorate Victoria をご参照ください。
(更新: 2021年10月1日)
Disclaimer:
本資料は、更新日までの一般的な情報提供を目的とするもので、税務的なアドバイスで はありません。個別の状況に関しては、専門の会計士・登録税理士にご相談ください。