「コロナウイルスによる豪州政府からの中小ビジネス(SME)へのサポートと支援」
| 家賃・賃貸料の軽減 - Rent relief
<更新日: 2020年4月13日>
オーストラリアの首相は2020年4月7日、新型コロナウイルスによって影響を受けた中小ビジネスを救済するため、商業用不動産の賃貸リース契約に関する義務的であるCode of Conduct(行動規範)を発表しました。今後、このCode of Conductに基づいて、各州・準州政府は法制化を進めることになります(州ごとに多少の変更事項があることも)が、4月3日かJobKeeper プログラムが実施されている2020年9月27日までは、有効となる予定です。
この Code of Conductは商業用不動産の賃貸契約をカバーし、対象者であるテナントは、
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年間売上高が$50 million以下 の中小ビジネス
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政府のJobKeeperプログラムの対象者でなければならない(売上高30%減少が必須)
また、このCode of Conduct(行動規範)で適用されるべき原則としては、
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可能な限り、テナントは賃貸料を払い続け、売上高が減少しているのであれば、商業用不動産のオーナーとテナントで双方が納得する結果を話し合わなければならない
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コロナウイルスによって引き起こされた、テナントの売上高の減少に比例して、オーナーは賃料負担を最大100%まで減少する。実際には、以下のように2つの賃貸救済を受ける:
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Rent Waiver ⇒ 賃料の免除 (売上高の減少%分の半分以上)
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Rent Deferral ⇒ 繰り延べ(賃料減少%の残りを双方の合意のもと、最低24ヶ月以上のリース期間中に分割返済)
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<例> 該当するテナントは売上高の減少に比例して、以下の賃貸救済を受ける:
⇒ テナントの売上高が30%減少した場合, 賃料の30%も以下のように減少する、
(1) 賃料の最低15%以上を免除・無料とする
(2) 残り15%以下の賃料を繰り延べとする(最低24カ月以上にわたって分割払い)
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賃料の値上げも凍結される(売上額に対しての賃貸料リース契約は対象外)
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商業用不動産のオーナーに対しては、下記を禁止とする:
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賃料の未払いを理由に契約を終了すること
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営業を停止した、または、営業時間を短縮したテナントに対してペナルティを科すこと
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Land taxをテナントに支払わせること
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賃料未払いに対して手数料や利息を課すこと
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賃料未払いに対して、銀行保証(bank guarantee)や保証金(security deposit) を請求すること
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テナントとオーナーは、賃貸料の免除/賃貸料の延期払いの見返りとして、リース延長を同意することができます
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テナントは救済措置を受けるが、引き続き賃貸リース契約を順守する必要がある
また、オーナーとテナントの双方が望むのであれば、上記の救済措置に対して、代わりの取り決めを自由に設けてもよいとも提案されています。
その他、Australian Banking Association (オーストラリア銀行協会) は、債務総額1,000万ドルまでのローンを抱えるビジネスに対して、6ヶ月間のローン返済遅延は可能であると表明したことにより、銀行が家主・不動産オーナーとローン返済について交渉するだろうと報じられています。また、返済遅延の条件として家主達は銀行に対して、コロナウイルスの影響でリースを解約したり、貸借人に家賃未払いなどの理由で立ち退きを強制しないことを保証するということを同意される必要があるようです。
| Apprenticeとトレーニーへの給料補助金 (Apprentice and trainee wage subsidy)
<更新日: 2020年3月28日>
雇用者に対して、2020年1月~ 9月期間中のApprenticeとトレーニーの給料の50%が補助金 (毎3ヶ月、最大$7,000) として提供されます。
条件は下記の通りです。
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フルタイムのスタッフが20名以下のビジネスが対象となりますが、対象のout-of-trade apprentice・トレーニーを再雇用するいずれの規模の雇用者またはGroup Training Organisationsも、補助金の対象となります。
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Apprenticeまたはトレーニーは、2020年3月1日の時点で中小規模ビジネスのトレーニングを受けていた必要があります。
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雇用者は2020年4月上旬から補助金制度に登録できます。支払いの最終請求は、2020年12月31日までに提出される必要があります。
| 中小規模企業への無担保ローン(政府のクレジット保証)
<更新日: 2020年3月28日>
政府はCoronavirus SME Guarantee Schemeを発表、中小規模ビジネスの運転資本として使用される場合の無担保ローンの元金50%を政府が保証することを表明しました。主な条件は下記のとおりです。
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年間売上高が$50 million未満のビジネスのみが対象
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$250,000 までのローン
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返済期間は3年まで(最初の6ヶ月間は返金の必要なし)
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無担保ローンである
上記に関連して、更に以下が公表されています。(英文で大変失礼いたします)
The Government hopes to expect lenders will look through the cycle to sensibly consider the uncertainty of the current economic conditions. Also, the Government will encourage lenders to provide facilities to SMEs that only have to be drawn if needed by the SME. If offered, this will mean that the SME will only incur interest on the amount they draw down.
The Scheme will commence by early April 2020 and be available for new loans made by participating lenders until 30 September 2020.
Furthermore, the Government will exempt lenders from the responsible lending obligations for a period of six months in relation to the credit they extend to their existing small business customers, provided there is an existing borrowing relationship and some proportion of that credit is used for business purposes The government anticipates that this reform should help small businesses get access to credit quickly and efficiently.
| 経済的に困窮したビジネスへの一時的救済措置
<更新日: 2020年3月28日>
倒産リスクを減らす目的とビジネスの多数が難しい時期を乗り越えられるように、下記の倒産をさけられるための一時的措置が提案されています。
(英文で大変失礼いたします)
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temporary six-month increase to the threshold at which creditors can issue a statutory demand on a company under the Corporations Act 2001 from $2000 to $20,000
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a temporary extension to the statutory timeframe for a company to respond to a statutory demand from 21 days to six months. This extension will apply for six months.
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a temporary increase to the threshold at which creditors can initiate bankruptcy proceedings against a debtor who is not incorporated from $5,000 to $20,000. This will apply for six months
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a temporary extension to the period that a debtor must respond to a bankruptcy notice from 21 days to six months. This will apply for six months
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a temporary extension to the period under which an unsecured creditor cannot take further action to recover debts when a debtor declares an intention to enter voluntary bankruptcy from 21 days to six months. This will apply for six months
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giving directors temporary relief from personal liability for insolvent trading with respect to any debts incurred in the ordinary course of the company’s business. This relief will apply for six months but will not apply to egregious cases of dishonesty and fraud.
Disclaimer:
本資料は、更新日までの一般的な情報提供を目的とするもので、税務的なアドバイスで はありません。個別の状況に関しては、専門の会計士・登録税理士にご相談ください。