当事務所作成
「コロナウイルスによる豪州政府からの中小ビジネス(SME)へのサポートと支援」
雇用者への雇用維持支援
ATO JobKeeper Payment
<更新日: 2020年4月20日>
2020年4月15日に更新のハードコピーはこちらから ⇒ PDF
現時点でのJobKeeperに関しての基本的なコンセプトとしましては(2020年4月20日時点 - 税務署からの追加情報により更新の予定)、
現時点での公表されている情報から、
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2020年3月30日(月曜日)- 首相は雇用維持のために各対象労働者・従業員へ毎週750ドル を支払う”JobKeeper” 政府支援案を発表しました。
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2020年4月8日(水曜日)- 一日限りの臨時議会が開かれ、Coronavirus Economic Response Package (Payments and Benefits) Bill 2020 が法制化されました。
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2020年4月15日(火曜日)- 税務署がJobKeeperに関しての基本的なルールを公表しました。
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2020年4月20日(月曜日)- JobKeeperのオンライン登録が開始しました(ATO Business Portalまたは、登録税理士より)。
これからも情報が更新されていく予定ですが、ひとまず2020年4月20日までに公表された主な詳細を報告します。
| JobKeeper とは?
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JobKeeperは、コロナウイルスによって影響を受けたビジネスの雇用維持のために、各対象労働者・従業員へ支払われる給料を支援するもの
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雇用主がJobKeeperの対象であると判断され、税務署から支援を受ける形となれば、基本的に対象となる全従業員がカバーの対象となり、従業員に支給をするか否かを選ぶことはできない
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JobKeeper プログラムはATOによって管理される
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対象であるビジネスは、年間売上が$1billion以下で売上高が30%以上の減少($1billion以上は収益の50%以上、Australian Charities and Not-For-Profit Commissionで登録されているCharitiesは15%以上)
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JobKeeper 支援は、2020年3月30日に始まり、2020年9月27日に終了予定
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資格対象としては、2週間毎に最低1500ドル(税抜き前)の給料を各対象従業員に既に支払い済みであることが条件である (例え、対象の従業員の給与が週に750ドル以下でも)
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税務署は、毎月末後に雇用者にその月のJobKeeper分を返金する
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ビジネスの運営に加入されているオーナー1名分に対してもJobKeeper対象である
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税務署から雇用者・自営業者への支払いは2020年5月中に予定されているが、3月末までさかのぼって支払われる
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対象の雇用者は支給対象になる労働者を特定、税務署へ報告する必要がある
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対象従業員は、「JobSeeker」(Centrelinkからの福祉)と「JobKeeper」を共に受けることはできない
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対象である雇用者・自営業者は、2020年3月30日より登録のみ可能
| (1) 対象であるビジネスと売上減少テスト
JobKeeper制度に加入しなければならないという法的義務はビジネスにはなく、各経営者の判断次第です。しかしながら、加入されることを選択される場合は、下記の必要条件を満たしている必要があります。
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2020年3月1日時点で、オーストラリア国内でビジネス営業されている (or were a not-for-profit organisation that pursued your objectives principally in Australia).
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2020年3月1日で、最低でも従業員1名を雇用されていた
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対象である従業員をJobKeeper 支給期間中の2週間内で雇用されていた(再雇用の従業員含む)
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対象外の雇用者ではない (リストはこちらから)
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「ビジネス減少テスト」の条件を満たす (以下参照)
2020年3月31日の初回からJobKeeper支援の対象となるためには、下記のテストでGST法上での売上高が昨年の同時期より30%以上の減少(大規模ビジネスに対しては50%以上)であると証明する必要があります。
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2020年3月分と2019年3月分の1ヶ月分
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2020年4月分と2019年4月分の1ヶ月分
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2020年4~6月分と2019年4~6月分の3ヶ月分
上記では、通常のBASの申告期間が、毎月か毎3ヶ月かである必要ななく、当事務所の予測としては、3月分の減少テスト以外は、見積りで済ます必要があると考えています。
しかしながら、未だにはっきりしていない事柄としましては、売上減少を証明するにあたり、2019年の同時期との比較が適切に行えないビジネスに対して、ATOがどのように、代替テストを適用するかです。このケースに関する代替案は、税務署より後日発表が予定されています。
売上の減少のテストを一度行い、対象であると判明した後は、その後の期間に再度売上減少テストを行う必要はありません。ただ、税務署にはその月の実際の売上とその翌月の売上見積もり額を報告する必要があります。現時点のガイドラインでは、この情報により、JobKeeperの対象であるかどうかの判断はされることはなく、当初の対象者を判別するテストで売上減少%の見積もりが正確であったかを査定をされることもないとみています。
当事務所としては、税務署にJobKeeper登録の際、下記の点につき、複雑になることも考えられるため、プロの登録税理士(Registered Tax Agent) と対象基準をご相談されるべきだと考えています。
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GST法上での売上減少を正確に計算・見積もるためには
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会計・経理ソフトや帳簿から減少を証明するための記録を税務署対策としてどのように保管されるべきか
また、未だにはっきりしていない事柄としましては、売上減少を証明するにあたり、適切な比較期間がないということを示しているビジネスに対して、ATOがどのように、代替テストを適用するかです。当事務所としては、税務署が以下のビジネスに対しても何らかの考慮をいただきたいと思っています。
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ビジネスは1年前に営業されていなかった
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去年の同時期の売上高は通常や過去の平均からかけ離れていた
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ビジネスがすでに営業を停止されている
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経営規模が大幅に縮小されていた
また、税務署へのJobKeeper申請に関しては、雇用者が想定される売上減少の見積もりをしなければならないため、政府は実際の収益減少が見積もった額を少々下回っていても、誤差は許与されるとしています。
| (2) 対象である従業員
対象である従業員は、
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上記の援助対象である雇用者によって雇用が継続されている (解雇されてなく、強制休暇中(Stood down)や再雇用(Re-Hired)された従業員も含む)
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2020年3月1日時点で雇用されていた
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2020年3月1日時点でFull Time、 Part Timeの従業員
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2020年3月1日時点で12ヶ月以上雇用されている定期的なシフトがある長期カジュアル従業員であり、他の職場でpermanent 従業員ではない
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16歳以上であること
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以下のどちらかである、
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Social Security Act 1991 上でオーストラリアの居住者である (詳細: Services Australia のサイトで確認 => リンク)
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2020年3月1日時点で税務上でオーストラリアの居住者で、444ビザを保有している
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JobKeeper の2週間の周期により、以下のどちらかを受理されていない、
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government parental leave or Dad and partner pay(Paid Parental Leave Act 2010より)
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a payment in accordance with Australian worker compensation law for an individual's total incapacity for work.
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従業員は「JobKeeper employee nomination notice」を記入、雇用主に返す必要がある (書類はここから ⇒ リンク)
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従業員を差別されていないと証明できるよう、書類は雇用者から全従業員に配布されるべき(対象ではない方は“NO”を選択、または未返却)
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同意書は税務署へ提出義務はないが、毎2週間分の給与が$1,500になるように差額分を支給する前には同意が必要
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対象ではない従業員は、
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他の雇用者からJobKeeperを受けている
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2020年3月1日以降に雇用された
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12ヶ月以上雇用されていないカジュアル従業員
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定期的なシフトがないカジュアル従業員
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全てではないが、オーストラリアの居住者ではないビザ保持者(ほぼ対象外)
更に、ビジネスとして下記のオーナー1名分に対してJobKeeperの2週間毎1500ドル分も受け取ることが出来ます(対象者であるための条件は、こちらより)。
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Sole Trader ⇒ 個人営業主分
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Partnerships ⇒ パートナー1名分
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Companies ⇒ 株主か non-executive 役員1名分
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Trust ⇒ Nominated beneficiary1名分
| (3) 従業員へのJobKeeper分を含む給与の支給
JobKeeper 分を税務署より返金されるには、「2週間毎に最低1500ドル(税抜き前)の給料を各対象従業員に既に支払い済み」であることが条件となります。
しかしながら、1回きりの特例として、以下の期間のみに関しては、税務署は4月末までに支給されるのであれば、2週間分としての最低1500ドル(税抜き前)が延滞されていた場合でも問題ないとしています。
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30 March – 12 April
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13 April – 26 April
つきましては、2020年4月末までに“JobKeeper employee nomination notice” の同意を従業員から得た上で、以下がお支払いされていたのであれば、JobKeeperの対象に含まれます。
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2週間分の給料$1,500 (税引き前) x 2回分を支給する、または、
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$3,000 (税引き前) 一括払いを支給
| (4) 税務署への報告義務
JobKeeperの登録は以下の日程で開始されます。
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2020年4月20日~30日 ⇒ Business Portal 上でのオンライン登録が開始 (Tax Agentで代理申告も可能)
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2020年5月4日 ~31日 ⇒ 対象ビジネスは、オンライン・レポートで4月分の2週間分 x 2回分を申請
| JobKeeper申請に対してのビジネス資金問題
JobKeeper 分を税務署より返金されるには、「2週間毎に最低1500ドル(税抜き前)の給料を各対象従業員に既に支払い済み」であることが条件になります。
これにより、既に運転資金が厳しいビジネスに対しては更に打撃を与えることになるのではないかと思います(税務署からのJobKeeper返金は翌月のため)。
| 2020年4月20日時点での当事務所からの提案
(独自にプロのアドバイスを求めてください)
(至急に対応)2020年3月末までの帳簿入力を大至急に済ませる
(至急に対応)独自の判断で雇用者として対象者であると検討された場合は、全従業員用にJobKeeper employee nomination notice 書類を配布する(2020年4月30日までに従業員に署名上での同意と雇用者への返却が必要)
(2020年4月30日まで)ビジネスとして対象者であるのか、及び、税務署への登録プロセスを登録税理士に相談される
(2020年4月30日まで、また対象者であると判断された場合)4月分に対しての2回分 x 毎2週間分給料が最低$1,500 になるように差額分を支払う(2020年3月30日以降の対象者であれば)
(以下の点についても登録税理士の協力が必要かも)
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「売上減少テスト」で売上の減少%が2020年5月以降(月別での比例の場合)、または、2020年7月以降(四半期別での比例の場合)まで予定がない場合
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従業員給与がJobKeeper対象になるために差額分を支払いされた場合のSingle Touch Payroll申告方法
その他、以下の JobKeeperのケースでの対応も複雑であるため、プロフェッショナルからのアドバイスを得ることをアドバイスいたします。
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対象である従業員が、完全に"stood down "中、または、無給休暇中である場合
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対象である従業員の通常給与が2週間で$1,500 以下である場合対象である従業員が、解雇、または、
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再雇用された場合
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対象である従業員に対して "JobKeeper enabled direction"の指令を出す 場合 (Fair Work Act上での新しい雇用者権利)
Disclaimer:
本資料は、更新日までの一般的な情報提供を目的とするもので、税務的なアドバイスで はありません。個別の状況に関しては、専門の会計士・登録税理士にご相談ください。