Payday Super:雇用主が理解すべきポイント
【更新: 2026年04月29日】

| 2026年7月1日からの変更事項
Payday Superとは
「Payday Super」とは、オーストラリア政府による制度改革であり、雇用主に対して従業員への給与支払と同時にスーパーアニュエーション(年金拠出)を支払うことを義務付ける仕組みです。本制度は2026年7月1日から開始されます。
2026年6月30日までのスーパーアニュエーション義務
オーストラリア税務局(ATO) 管轄の現行制度では、以下の義務があります。
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雇用主は、最低として通常賃金(Ordinary Times Earnings)の12%をSuperannuationとして拠出
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支払頻度は週次、月次、四半期でも問題ないが、四半期の期限までに従業員の基金への着金が必要
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遅延した場合、ペナルティを含むSuperannuation Guarantee Charge(SGC)が課される
Payday Super制度として、2026年7月1日以降に何が変更するか
Payday Super導入後は、以下が変更されます。
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Superannuation拠出は給与支払日、または、それ以前に実施
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かつ、給与日から7営業日以内に従業員のスーパーアニュエーション基金への着金が必要
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新規従業員、または、スーパーアニュエーション基金に支払う初回に限り、支払日から20営業日以内が期限
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Superannuation関連の報告はSingle Touch Payroll(STP)と連携
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Qualifying Earnings(QE)という新たな概念が導入され、給与処理日がQE日となる
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ペナルティ制度面も変更、従来のSGC申告は廃止され、自主申告書(voluntary disclosure statement )へ移行の上、ペナルティは給与支払日ベースで計算される
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もしATOのSmall Business Superannuation Clearing House(SBSCH)を現在使用されている場合は、2026年6月30日 23:59をもって終了されるため、2026年7月1日からは代替のClearing Houseシステム導入が必須
新制度の目的しては
Payday Super制度の導入目的は、以下を目標にしています。
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Superannuationの未払い・遅延の削減
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従業員への透明性向上
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給与とスーパー支払の整合性確保
給与処理への影響
多くの雇用主にとっては、Payday Superの導入は、既存の給与処理業務に新たなステップを1つ追加されることで対応でき、以下のような流れになるはずです。
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従業員の給与計算 (推奨方法:STP Phase 2対応の給与ソフトを使用)
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ペイスリップの発行 (推奨方法:メール送付)
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従業員への給与支払 (推奨方法:ABAファイルを作成、銀行口座へアップロード)
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Single Touch PayrollをATOへ報告 (推奨方法:STP Phase 2 対応給与ソフトで申告)
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(** 2026年7月1日以降の新しい対応)Payday Superの申告と支払(推奨方法:対応済み給与ソフト、または、Superannuation Clearing Houseを使用)
更に、2026年7月1日以降の給与関連業務に想定される以下の主な影響を検討する必要があります。
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スーパーアニュエーションの支払頻度の増加に対応できる給与システムが必要
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スーパー支払における遅延やミスに対する許容度の低下
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規制当局によるリアルタイムでの可視性の向上(監視強化)
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2026年7月の資金繰りへの影響 (2026年4月〜6月分の従来SG支払と、7月以降のPayday Super支払が重なる可能性)
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2026年7月においては、運転資金への影響が生じる(従来の2026年4月~6月分のsuperannuation guaranteeが2026年7月28日までに支払期限を迎えることに加え、2026年7月1日より新たにPayday Super要件が適用される)
2026年7月1日に向けた準備事項
2026年7月1日に向けて、雇用主としては可能な限り早期に以下の対応を進める必要があります。
【今すぐに】Payday Super制度の内容を理解する
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四半期払いから給与日での申告・支払への移行を理解
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支払遅延・未着金リスクの軽減として、全従業員のスーパー基金情報が正確かつ最新であることを確認
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キャッシュフローへの影響を把握、給与日での支払移行に向けた資金計画を策定
【2026年6月30日までに】給与・スーパーアニュエーション体制の見直し
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現行の給与処理体制が、給料計算ごとのスーパー支払に対応可能か、また Single Touch Payroll(STP)との連携可否であるかを確認
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ATO のSmall Business Superannuation Clearing House(SBSCH)を利用している場合は、代替clearing house、または、スーパー支払機能付きの給与ソフトへの移行が必要(SBSCHを利用して2026年4月〜6月分を2026年6月30日までに処理は可能)
【2026年7月1日以降】Payday Super運用開始
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新規採用時のオンボーディングを見直し、Choice of Fund書類(基金選択情報)を早期に取得
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2026年4月〜6月分のSuperannuation を2026年7月28日までに支払う
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新制度に基づき、 Qualifying Earningsに基づくSuperannuation計算を実施
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スーパー拠出金は、給与支払日から7営業日以内に基金へ着金させること
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STP対応給与ソフトを通じて、Superannuation拠出の情報を報告
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支払いが期限内、正確、完全であることを確認の上、ペナルティ発生を回避
まとめ
Payday Superは、オーストラリアのスーパーアニュエーション制度における重要な改革を意味いたします。尚、本制度の導入により、コンプライアンス要件の強化や業務作業の変更が求められる一方で、雇用主に対して給与計算プロセスの近代化、および、精度向上を促すものとなっております。
特に中小企業やオーストラリアで事業を展開する海外企業にとっては、円滑な移行および継続的なコンプライアンス維持のために、早期の準備が極めて重要となります。
(更新: 2026年04月29日)
Disclaimer:
本資料は、更新日までの一般的な情報提供を目的とするもので、税務的なアドバイスで はありません。個別の状況に関しては、専門の会計士・登録税理士にご相談ください。
